霧島市文化財保護審議会でした

今年度より、霧島市文化財保護審議会
委員に任命いただき、先日審議会が行われました。

平成25年、「和食:日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録され、平成29年には、文化芸術基本法で国が振興を図る生活文化の例として「食文化」が明記されています。
そして令和3年頃より、文化庁でも、様々な伝統行事等の継承・体験事業等に「郷土料理」を加え、霧島食育研究会でも、委託を受け、毎年、子どもさん向けの郷土料理教室や食文化に関す動画制作や配布などを行っています。

今回の審議会でも、霧島市内で行われているある行事について審議されたのですが、その手法や使用されている器具・道具の独自性と共に、その行事の目的がある「食文化」につながっていることがとても興味深く、大きな気づき、学びになりました。

鹿児島県立川内高等学校の創立記念講演

母校の鹿児島県立川内高等学校の創立記念日の記念講演によんでいただきました。
全校生徒750名と先生方の前で約1時間お話させていただきました。
ありがとうございます!

高校在学時はまだ明確な目的や卒業後の方向性は見いだせなかった3年間でしたが、
大切な友人もでき、教師と生徒の近すぎない距離感、生徒の自主性と責任を重んじる気風、まさに「質実剛健」な校風はとても好きでした。

講演:竹田市食生活改善推進協議会様

大分県竹田市で講演させていただきました。
竹田市役所の管理栄養士堀田貴子さんのご縁で、
竹田市食生活改善推進協議会の総会でお話
『「食べものと心」~食でつながる命と思い~』させていただきました。

20年前、竹田市に研修にいき、前年開催された「家庭料理大集合」の取り組みを関係者の皆様にお聞きし、レシピ集をいただきました。
それを参考に、霧島・食の文化祭を開催したというご縁もあり、今回はとてもうれしいご依頼でした。

講演後は、堀田さんや馬見田さん、佐藤双美さん、志賀しずかさん、小島直人さんと、素敵な商家でのお昼ご飯と濃い時間を過ごさせていただきました。
写真は小島直人さんに撮っていただきました!!

 

殿様膳の献立作成と調理

嘉永6年12月24日斉彬公 蒲生巡見
   当時 斉彬公が食した食事を推測「殿様膳」
~資料に記されている「食材」から「献立」を推測~

蒲生での「お殿様のまち歩き」(主催:日本遺産「蒲生郷」プロジェクト)の中の
「殿様御前」の献立作成と調理を担当しました。

嘉永6年(1854年)12月24日(新暦 1月22日)の斉彬蒲生巡見(御巡見先に付き御仮屋調物根帳)につき、藩庁の御膳所頭(藩主の食事担当)からの細かい指示とそれに対処する蒲生郷の郷士年寄らの作業が記録されています。
準備するように指示された食材は、鴨、小鳥、玉子、木の子、木くらげ、舞茸、山芋、ごぼう、大根、火取鮎、せんもと、春菊、里芋、生姜、蜜柑、葱、人参、銀杏、よめな、豆腐、大根の漬物など。
ただ、準備するように指示された食材の記載はあるものの、献立名がありませんでしたので、食材や季節から推測し、当時食したのではないかと思われる料理を考えました

献立作成にあたっては、鹿児島の歴史・文化に精通する東川隆太郎さんにご相談し、また「大名の暮らしと食」(江後廸子著)を参考にしました。
調理は、谷口さんと兼吉さんにリハーサルから入っていただき、とても美しく、おいしく仕上げていただきました。感謝!!!です!!料理写真は霧島日和の峯下さんにリハーサルの際、撮影していただきました。

イベントの雰囲気にあわせ、紬を着てみました!
イベントは、参加者様が、蒲生の街並み「馬場」などをスタッフの皆様とゆっくり散策され、その後、武家屋敷群の中のカフェらびゅうで行われました。
スタッフの皆様の中には、和装の方も多く、袴裃、甲冑姿でのお出迎えなどもあり、なんと手と心もこもった温かいおもてなしいっぱいの取り組みだろうかと感じました。

【献立】
・めし
・味噌仕立ての汁(鶏骨だし、さといも、鶏もも、まいたけ、春菊、蒲生産麦みそ)
・しゅんかん(豚三枚肉、たけのこ、大根、人参、ごぼう、生姜、干ししいたけ、昆布、厚揚げ、こんにゃく)
・火どり鮎の甘露煮(蒲生産アユの火ぼかし、蒲生醤油、島ざらめ、灰持酒
・魚飛龍頭(地魚、蒲生産卵、豆腐、山芋、きくらげ、銀杏、さつまいもでんぷん、きび糖、塩、菜種油)
・こがやき(地魚、蒲生産卵、豆腐、さつまいもでんぷん、きび糖、塩)
・なます(蒲生産大根・人参・福山黒酢・きび糖・塩)
・大根のみそ漬け
・かるかん・黒糖いこもち(いこもち粉・黒糖)・みかん・抹茶

 

知覧にて 郷土料理講座

鹿児島県食育シニアアドバイザーの派遣という形で、知覧で郷土料理講座でした。

献立は
豚骨
揚げおかべ
福神漬
カライモ団子の吸い物
黒糖揚げ菓子
炒り黒豆おこわ
です。

カライモ団子の吸い物は、霧島在住の現在90代の女性に教わったおもてなし料理です。
お吸い物ですから、鶏肉とか魚とか、かまぼことかあればいいのでしょうが、何もないので、サツマイモをゆでてつぶした中にさつまいもでんぷんを加え、手でぎゅっと握って団子にし、吸い物の具にしたとのことです。

研修講師依頼:南九州市ツーリズム協議会様

南九州市ツーリズム協議会様よりご依頼を受け、研修の講師を行いました。

今回は、ミニ講話で「暮らしに根差した鹿児島の食文化」と題し、自分なりの鹿児島の食文化を、特徴やそれを作り続けてきた人の思いをお話させていただきました。

その後の調理では、一品を「パッククッキング」で行いたいとのご意向を受け、知覧の郷土料理「といのずし」を湯煎可能なポリ袋にいれて調理してみました。
本来、パッククッキングは災害時の調理として普及されているようですが、実際にグリーンツーリズム実践者の方から、受け入れ時に、パッククッキングにすることで、子どもたちが興味をもって調理に参加してくれるのではという思いをお聞きし、試行錯誤しレシピを作ってみました。

「といのずし」は鶏肉をいれた硬めの「ずし」なのですが、砂糖とみそを加えて加熱するので、調味料を加えるタイミングなど少しコツがいることがわかり、私自身もとてもよい学ぶになりました。

そのほかは、通常の調理で「きいこん」「福神漬け」「アルミカップで作る黒糖ふくれ菓子」を実習。

参加者の皆さんの醸し出す和やかな雰囲気が心地よく、とても楽しい時間でした!