2週つづけての徳之島でした。
伊仙町のおもなわこども園様の豊年祭での講演によんでいただきました。
伊仙町経済課福島様、園長先生・副園長先生・町先生はじめ先生方には本当に温かなご対応をいただき、ありがとうございました!!
演題は「食べものと子どもの心」~食でつながる命と思い~
内容の概要
・鹿児島に暮らす人々が連綿と紡いできた独自の生活文化や食文化を見つめなおすことで、霧島食育研究会独自の食文化継承プログラムの構築を行ってきた。
・活動を始めたきっかけは「食べることの大切さを子どもにきちんと伝えているか」という私自身のジレンマだった。食や栄養の専門職である管理栄養士として活動しながらも、仕事・家事・子育てに追われ常に時間がないと感じ、食事を整えること、食の大切さを、自分の姿を通し子どもに伝えきれていない現実があった。
・2004年から取り組んだ霧島食育研究会の活動の中で、見えてきたものがあった。地元霧島・鹿児島に暮らす人々の食・食卓の風景や言葉、そして思いに接することで生まれた「食べものと心」の豊かさだった。そこに寄り添い、食べものの大切さを考え伝えていく道筋に「食育」の一つの答えがあるように思えた。
・「一里四方の食文化から鹿児島の食文化を見つめる」アプローチとして、霧島をはじめとした鹿児島県内各地で暮らす方々に、約2500品の「食の聞き取り」を行う中で多くの気づきがあった。
・60代女性は、ある料理を食べるたびに「母ちゃんの声」が聞こえるといった。それは、畑仕事に行く母が、子どもたちのために作り続けた「高菜のおにぎり」だった。母亡き後も、その女性は高菜の漬け物を作りおにぎりに巻いた。作るたびに、自分の名前を呼ぶ母の声が聞こえたという。
・そして食卓で何を伝えるのか、伝えたいことは何なのかも今一度考える必要があるのではないか。子どもの前で『ごはんをつくるのを面倒だ』と言わないでください。
・子どもにとって「食べる」事は「生きる」事であり、命そのものである。その命につながる食を「面倒だ」と言わないでほしい。大人は、子どもの食を、命を大切にしてほしい。子どもの心の中に「自分が大切にされた」思い出があると、子ども自身が「自分を大切にする」ことが出来るのではないか。
・子育ては、楽しいことばかりでなく、時にきつく、思いどおりにならないことも多い。しかし、縁あって親子になった我が子の心の中には、つらい思い出と食べものの思い出を一緒に入れてもらいたくない。
・父親、母親にとり、目の前にいる我が子は親自身が「この子を産み育てる」と覚悟を決めて育んでいる大切な命である。子どもと過ごす時間の中で、食のあたたかな思い出を多く子どもの心の中に入れてほしいと願っている。