青森県に郷土料理を学びに行ってきました。
お世話になったのは、五所川原市金木町の一般社団法人「かなぎ元気村」の代表理事の伊藤一弘さん、スタッフの飯塚さん、木下さん。
あたたかにご対応くださり本当にありがとうございました!!
施設は、素晴らしいお屋敷で、旧津軽藩士傍島家住宅を再生した滞在型の体験交流施設です。
傍島家は太宰治の生家津島家と縁戚であり、津島家の財政基盤や政治基盤を支え、太宰治もよく遊びに来ていたそうです。
教えていただいたのは、津軽地域の郷土料理、「貝焼きみそ(けやきみそ)」「鮭のすし」「けの汁」「なすのしそまき」。
「貝焼きみそ(けやきみそ)」は、ホタテの貝殻を鍋にして、焼き干しのだしにみそ(豆味噌)をとき、卵を一個といて、2回に分けて流し入れます。
みそを加えたとき、周囲が少し焦げるのがよい味になるとのことで、半熟状態でいただきます。昔は、出産後に毎日のように食べていたそうです。
出産後の貝焼きは、新しい貝殻を使うそうで何十年も使い続けるとのこと。
地域によってホタテの身が入ることもありますが、この地では卵だけだそうです。
スタッフの木下さんが、娘さんを出産したときに、実家のお母さんが新しい貝殻で貝焼きを作ってくださったそうです。
その後、木下さんは、その貝殻をもって帰りずっと使っていたそうなんですが、娘さんがご結婚されたときに、パリンとかけてしまったそうで「ふしぎだよね~」「役目を終えたのかな~」と話されていました。
「鮭のすし」は、鮭を酢じめし、根曲がり竹やキャベツ・人参・生姜などとご飯を漬け込んでいきます。
事前に漬け込んでいただいたものを試食させていただきましたが「鮭」はやわらかく、うまみたっぷりのごちそうでした。
「けの汁」は、根菜と保存しておいた春の山菜、高野豆腐などをさいの目に切ったみそ汁です。
地域によっては大豆を入れるところもあるとのこと。
そして「け」は「粥」を指すという由来もあるとのことで、まさに、鹿児島の「かいのこ汁(粥の添え物の汁)」と同じですね!!
正月は実家に帰るお嫁さんが、事前に嫁ぎ先の家族の何日分も大量に作っておき、それを食事の都度温めて食べるというエピソードもお聞きしました。
鹿児島ではお盆の料理ですが、津軽ではお正月の料理なのですね!
そして、「なすのしそまき」は、なすにみそをつけ、シソで巻きごま油で焼くという夏の定番料理だそうです。代
表理事の伊藤さんは「最後の晩餐で食べたい」とも言っておられました。
試食には、ほかにもたくさんのお料理をご準備くださり、様々な食材やお料理の一つひとつを教えていただき、とても楽しく、学び多い研修でした。