嘉永6年12月24日斉彬公 蒲生巡見
当時 斉彬公が食した食事を推測「殿様膳」
~資料に記されている「食材」から「献立」を推測~
蒲生での「お殿様のまち歩き」(主催:日本遺産「蒲生郷」プロジェクト)の中の
「殿様御前」の献立作成と調理を担当しました。
嘉永6年(1854年)12月24日(新暦 1月22日)の斉彬蒲生巡見(御巡見先に付き御仮屋調物根帳)につき、藩庁の御膳所頭(藩主の食事担当)からの細かい指示とそれに対処する蒲生郷の郷士年寄らの作業が記録されています。
準備するように指示された食材は、鴨、小鳥、玉子、木の子、木くらげ、舞茸、山芋、ごぼう、大根、火取鮎、せんもと、春菊、里芋、生姜、蜜柑、葱、人参、銀杏、よめな、豆腐、大根の漬物など。
ただ、準備するように指示された食材の記載はあるものの、献立名がありませんでしたので、食材や季節から推測し、当時食したのではないかと思われる料理を考えました
献立作成にあたっては、鹿児島の歴史・文化に精通する東川隆太郎さんにご相談し、また「大名の暮らしと食」(江後廸子著)を参考にしました。
調理は、谷口さんと兼吉さんにリハーサルから入っていただき、とても美しく、おいしく仕上げていただきました。感謝!!!です!!料理写真は霧島日和の峯下さんにリハーサルの際、撮影していただきました。
イベントの雰囲気にあわせ、紬を着てみました!
イベントは、参加者様が、蒲生の街並み「馬場」などをスタッフの皆様とゆっくり散策され、その後、武家屋敷群の中のカフェらびゅうで行われました。
スタッフの皆様の中には、和装の方も多く、袴裃、甲冑姿でのお出迎えなどもあり、なんと手と心もこもった温かいおもてなしいっぱいの取り組みだろうかと感じました。
【献立】
・めし
・味噌仕立ての汁(鶏骨だし、さといも、鶏もも、まいたけ、春菊、蒲生産麦みそ)
・しゅんかん(豚三枚肉、たけのこ、大根、人参、ごぼう、生姜、干ししいたけ、昆布、厚揚げ、こんにゃく)
・火どり鮎の甘露煮(蒲生産アユの火ぼかし、蒲生醤油、島ざらめ、灰持酒)
・魚飛龍頭(地魚、蒲生産卵、豆腐、山芋、きくらげ、銀杏、さつまいもでんぷん、きび糖、塩、菜種油)
・こがやき(地魚、蒲生産卵、豆腐、さつまいもでんぷん、きび糖、塩)
・なます(蒲生産大根・人参・福山黒酢・きび糖・塩)
・大根のみそ漬け
・かるかん・黒糖いこもち(いこもち粉・黒糖)・みかん・抹茶