南日本新聞「かごしまフード風土」⑤ー伝えたい「100年レシピ」取材協力・レシピ監修 【肝付町岸良・クサギナの炒め物】

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7月7日南日本新聞の「かごしまフード風土」~伝えたい100年レシピ⑥は「クサギナの炒め物」でした。

以前、読者欄に「くさぎなの炒め物」が懐かしく残したい味だ、との投稿があり、思いつきました。

取材にご協力いただいたのは姶良市在住で肝付町岸良出身の金丸有子さんです。

働き者のご両親のもとで末っ子として育った金丸さん。幼いころお母さんが作るクサギナのみそ汁や炒め物は「においが嫌」、食卓にでると「またか」と思ったそう。看護師をめざし専門学校での寮生活の際も帰省するとクサギナ料理。でも、「癖のある苦みをだんだん美味しいと感じるようになった」。家庭をもつと、見よう見まねで作るようになったとのこと。

生葉は独特のにおいが鼻をつくが、塩でさっとゆでると臭みが消えて、夏場の野菜の無い時期の貴重な青みになるし、炒めるとピリッとした味としゃきしゃきした歯ごたえもいい。

お母さんは、亡くなるまで「クサギナ」を好んで食べた。豊かな自然が生みだした山のめぐみの「クサギナ」も今は、知らない人が多い。しかし、ほろ苦く深い味わいは金丸さんにとっては「消えることの無い母の味」です。