南日本新聞「かごしまフード風土」②ー伝えたい「100年レシピ」取材協力・レシピ監修 【枕崎のカツオのひっかけそうめん】

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今日5月23日掲載分は、枕崎の茅野寿満子さんに登場いただきました。
ご紹介くださった「ひっかけそうめん」は、幼いころ、お母さんが作ってくださったものです。
茅野さんには、小学2年で亡くなったお父さんがいらっしゃいました。茅野さんが赤ちゃんの頃は、「かわいい寿満子を泣かすな~」と言って、茅野さんをおんぶしてかつお節製造の仕事をしていらっしゃった子煩悩のお父さんでした。
お父さんが37歳という若さで、かつお節製造指導の出張先で亡くなったあと、お母さんはイデ小屋(かつお節製造所)をたたみ、勤めをしながら茅野さんと妹さんの2人の子どもさんを必死に育てたそうです。
近所のイデ小屋で中骨をもらい、かつおのだしたっぷりの中にそうめんと野菜を入れて、塩・醤油で味付け。血合い肉をしっかり指でとって食べ、最後は骨も折って中の髄まで食べ、残るのは美しい形の骨。
かつおのにおいの中で育てられた茅野さんは、かつおのにおいが、お父さんのにおい、懸命に育ててくれたお母さんの思い出だとおっしゃいました。

 

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鰹のひっかけそうめん